群馬県前橋市における中心市街地の変容

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タイトル別名
  • グンマケン マエバシシ ニ オケル チュウシン シガイチ ノ ヘンヨウ
  • Recent Change of the Central District in Maebashi City, Gunma Prefecture

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抄録

前橋市の中心市街地の人口・世帯数の動向や商業統計に関する調査から,郊外の拡大化に伴う大型商業施設の移転を主な理由として,中心市街地の衰退が明らかとなった。また,商店街の調査では,商業施設等の全件数が1985年の528件から2020年の451件へと大きく減少し,店舗等の合計でも155件の大きな減少がみられた。その内訳では,空き店舗・空き地(55件),駐車場(35件),住宅等(6件)などが増加して,一方で,買回品店(63件),最寄品店(42件),飲食店(28件)などが減少している。また,商店街別では,営業店舗率が最も高い商店街と営業店舗率が最も低い商店街の差を比較すると,1985年では約13%であったが,2020年では約30%まで拡大しており,商店街の中でも衰退の格差が生じている。<b>活性化事業については,民間の団体が中心となって中心市街地を舞台に,文化・芸術活動や,空き店舗を活用して街なか居住が進められていた。また,2016年には官民連携によるまちなか活性化ビジョンが策定され,活性化事業によって中心市街地は活気を取り戻す兆しが見えてきている。本来,中心市街地は,商業機能が集中する場であった。しかし,活性化事業により,中心市街地を舞台に活動する場がつくられ,人々が集まり,交流する機会が増えている。このことから,前橋市中心市街地では,「物販型商業」中心から「交流型商業」中心へと機能が変容したと考えられる。

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