台湾研修報告

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  • タイワン ケンシュウ ホウコク
  • A report of an official training in Taiwan

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Abstract

アジア地域において高齢化がすすみ,台湾も2010年に65歳以上の人口が 10.7%となり高齢化社会を迎えた。台湾では,2000年より安寧緩和医療法のもと,高齢者を含む終末期医療に関する自己の意志を尊重したケアが保障されている。また,台湾の人々は「善終」とする自宅で死を迎えられることは善い終わりであるという死生観をもっている。こうした背景から,台湾における高齢者及び病者の死亡場所は自宅死の割合が高く,近年(2012年の時点)では,病院死(47.1%)と自宅死(44.5%)との割合がほぼ同じとなっているものの,依然として自宅死の割合が日本(病院死80.3%,自宅死12.6%)と比較して高い。今回の研修で慈済大学,慈済会病院,台湾大学病院を訪問し,教育と臨床の現場において臨床宗教師を含む多職種の連携が存在すること,在宅と病院の連携を 24時間可能にする IT管理におけるシステムが構築していることで,台湾の人々の思いが尊重された終末期ケアを可能としていた。また,自宅死でなくとも,病院で死を迎えるにあたって,個人及びその家族への心のケアが技術的医療そのものよりも重きが置かれ,多職種によって細やかなケアが施されていることを知り得た。法による終末期ケアの整備がなされていること,信仰心の厚さなど日本と背景の異なる面はあるが,類似した面も多い台湾での研修を振り返り,超高齢社会にある日本の終末期ケアのあり方について一考する。

心のケア

尊厳

繋がり

多職種

identifier:SK002500008923

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