〈狂人〉の越境の旅 : 周樹人と〈狂人〉の出会いから彼の「狂人日記」まで

書誌事項

タイトル別名
  • 〈 キョウジン 〉 ノ エッキョウ ノ タビ : シュウジュジン ト 〈 キョウジン 〉 ノ デアイ カラ カレ ノ 「 キョウジン ニッキ 」 マデ
  • “The Madman’s Transnational Journey: From Zhou Shuren’s Encounter with “Madman” to His Kuangren Riji( “Diary of a Madman”)

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抄録

本論で述べる所の〈狂人の越境の旅〉とは、周樹人が留学期に〈狂人〉と出会ってから彼が「狂人日記」を創作し、それによって〈魯迅〉となった精神的過程の側面であり、前論で完成した〈狂人精神史〉という背景を基礎にし、「摩羅詩力説」から「狂人日記」の間の叙述の空白に対する補述である。筆者が考えるに、この両者の間には、まだ有機的に関連した説明は乏しく、文芸作品の翻訳と批評が組み立てたものと周樹人が伴っていた〈狂人の越境の旅〉は、ちょうど両者の間の精神的な?がりを成している。本論では周樹人がこの過程で〈ゴーゴリ〉と三種の「狂人日記」に出会った現場を明らかにし、ニーチェの言説の下の〈ゴーリキー〉と〈アンドレーエフ〉と〈チェーホフ〉の〈インスパイア〉、〈狂人美学〉の確立過程から、〈明治のロシア文学〉の精神と創作の実践意義までを取り上げる。周樹人は翻訳を通じて、言葉の意味を超えた〈狂人〉の〈境〉の移植を実現した。「狂人日記」は〈狂人の越境〉の精神的到達点であり、??歳の周樹人がもたらした新たな一ページの始まりでもある。

狂人日記

周樹人

ゴーゴリ

ゴーリキー

アンドレーエフ

identifier:BO010500010860

収録刊行物

  • 文学部論集

    文学部論集 105 43-70, 2021-03-01

    佛教大学文学部

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