中国における教育課題と展望

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  • チュウゴク ニ オケル キョウイク カダイ ト テンボウ
  • Educational theme and perspective in China

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抄録

現在、中国においては若者の高学歴への志向が強く、高等教育機関への進学率が高くなりその結果、高等教育を修了した彼らが希望する職業に就くことが困難な状況となっている。そのため、中国政府は受験中心の競争重視の応試入試を改め、個人の能力や個性を尊重する素質教育を推進しているが、人々の高学歴を求める現状から必ずしも成果を上げているとは言えない。本稿では、中国の教育思想のルーツを辛亥革命、中華民国及び中華人民共和国時代にそれぞれ活躍した蔡元培、徐特立と顧明遠の教育思想の中に見出し、その後これらの思想が現在までどのような変遷を辿って来て、将来どのようになるのかについて考察する。この流れは、明治以降教育の西欧化の道を辿った日本の教育思想と類似性を持ち、時として重複するであろう。教育の現象は、現在の事象を見るだけでは解明できず、歴史・民族文化の背景の中で考える必要がある。諸外国の様々な教育実践を自国の中に取り込もうとする時に様々な摩擦が生じる。時としてそれは、保守と改革、国粋派と国際派の対立に繋がり、理念的な不毛な論争に終わってしまう。近代中国の教育の先達どのように自国の教育改革を考えてきたのかを考察し、さらにそれが現在どのようになってきたのかを現地調査を踏まえて論ずる。

中国の教育

素質教育

教育格差

蔡元培

徐特立

顧明遠

identifier:KO002400007354

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