D. W. Winnicottの精神分析理論および実践に関する一考察 --心が生きるための空間という観点--

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タイトル別名
  • A Study on the theory and practice by D. W. Winnicott: a viewpoint of space where mind lives
  • D. W. Winnicott ノ セイシン ブンセキ リロン オヨビ ジッセン ニ カンスル イチ コウサツ : ココロ ガ イキル タメ ノ クウカン ト イウ カンテン

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説明

本論は、心理療法の場について考える視点を導くために、精神分析家Winnicottの理論および臨床実践を再検討することを試みた。まず、彼の人格理論を整理することで、彼の発想の根底には心を抱える空間が前提にあることを示した。次に、可能性空間の生成を軸に心の発達と病理を見る視点が導かれることを示した上で、この視点と彼の精神分析実践とのつながりを検討した。心が生きるための空間に着目するWinnicottの視点は、精神分析の場がその空間と重なっているかどうかを見極める臨床感覚につながっており、特にそれは解釈の扱いによく表れていることがわかった。Winnicottは解釈を控えることで、面接の場を心が生きるための空間になるように働きかけていたと理解された。こうしたWinnicottの視点をより活かしていくためには、可能性空間生成の障害の機序についてより細やかに検討していくことが重要となってくると考えられる。

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