アリス・ミラーの理論からみた、現代の精神分析臨床 --心的外傷概念の拡張をめざして--

書誌事項

タイトル別名
  • Modern Psychoanalytic Clinical Practice from the viewpoint of Miller's theory: towards an extension of the trauma concept
  • アリス ・ ミラー ノ リロン カラ ミタ 、 ゲンダイ ノ セイシン ブンセキ リンショウ : シンテキ ガイショウ ガイネン ノ カクチョウ オ メザシテ

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説明

本論文においては、心理臨床を行う上での心的外傷(トラウマ)の扱いについて、主にその定義に着目しながら論考を行った。現在のDSMのPTSDの診断基準における、客観的に特定しやすい単回性のトラウマのみを対象に限定した定義に対して、複雑性PTSDにおける閉鎖性・持続性のトラウマや解離性障害における愛着・関係性のトラウマといった概念に見られるような反復性のトラウマの視点を導入し、トラウマの定義の拡張可能性を探った。また、精神分析の分野においても、フロイトの欲動論への転回ののち、現実のトラウマが軽視されることになった。その断絶により精神分析家という看板を下ろすことになったアリス・ミラーの理論から、その背景について見ていくとともに、症候学に囚われない形で、PTSDや解離の症状が無くともトラウマの存在可能性に留意するという、新しいトラウマの臨床の必要性について論考を行った。

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参考文献 (37)*注記

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