日常語における「甘え」と「自由」 --文化越境的な教育理論の構築に向けて--

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  • Amae and Freedom in Everyday Language: Toward Transcultural Educational Theory

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本稿は、日常語における意味での日本での「甘え」とドイツでの「自由」の関係を明らかにし、これらから文化越境的な教育理論を構築するための提言をなすことを目的とする。「甘え」の概念は、精神科医・土居健郎(1920-2009)の著作である『「甘え」の構造』において紹介された。土居は、「甘える自由」という概念を西洋世界においても認めることを提案したが、この文化越境的な提案は、西洋の日常語における「自由」の意味理解に基づくものではなかった。これに対し、本稿は、日常語としての「自由」の意味をドイツ人大学院生へのインタビュー調査によって探求し、「甘え」という概念が子ども期における「自由」の新たな解釈を可能にすることを示す。これによって、「甘え」が近代教育理論における「自由」と「強制」の二項に加えて第三の可能性となりうるとともに、教育理論における文化越境的な対話のための日常語における接点を与えうることを明らかにする。

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参考文献 (31)*注記

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