化粧水を感覚的に探索する

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  • Exploration for the fortunate skincare lotion
  • ケショウスイ オ カンカクテキ ニ タンサク スル

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抄録

本研究はユーザーが自分の感覚を通じて「自分に最適の化粧水」を探索する対話的方法を提言するものである。研究プロセスでは日常生活でのユーザーと化粧水の知覚を介した相互作用モデルを想定し、典型的な化粧水タイプの試用、ものづくり体験、商品選択の実験を設定した。それぞれの場面での官能評価を通じて、影響度の高い指標を導出し、対話的ないくつかの行動プロセスを提案することを目的とした。  ユーザーとしては、化粧水に興味を持ち、使用頻度の高いと予測される短期大学学生の集団をサンプルとして設定した。予備検討においては、化粧水の使用意識と行動を調査し、サンプル群の属性を明確化した。次に評価対象として代表的な2タイプの感触の化粧水を選定し、評点法による官能評価を実施した。データ解析には探索的モニタリングと自由回答の観察を実施し、化粧水の言語表現に対する個人効果の検討を実施した。そのなかで化粧水の「なじみ」「さらさら感」「匂い」が重要な要因として導き出された。さらにデータ行列に主成分分析を適用し、寄与率の高い「さっぱり~しっとり」指標を導出し、なじみ、嗜好性などの評価用語との関連性を検討した。  次の段階ではいくつかの探索行動を実験にとりいれた。最初に単純処方の化粧水を調製・評価する「化粧水づくり体験」を通じ化粧水への理解と感覚的な尺度化を試みた。その評価プロセスで「さらさら」「しっとり」という表現が顕著に使用された。次に多数の化粧水から嗜好性による選択プロセスを設定し、官能評価データ解析により、いくつかの評価指標である「なじみ」「匂い」「さらさら」「しっとり」を導出した。化粧水の探索行動として「感覚的に捉える」「使用体験を重ねる」「自分の尺度を持つ」いくつかのプロセスを提案した。

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