慢性疾患をもつ学童,青年の食習慣の特徴

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  • マンセイ シッカン オ モツ ガクドウ セイネン ノ ショクシュウカン ノ トクチョウ
  • Dietary habits of school-aged children and adolescents with chronic illness
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本研究の目的は,慢性疾患をもつ学童から青年の食習慣を,包括的に調べ,健康な対象者と比較することにより食習慣の特徴をとらえ,よりよい食習慣を築く支援への示唆を得ることである.学童期から青年期の外来通院中の慢性疾患患者(糖尿病,自己免疫疾患,食物アレルギー,小児がん治療後)と,年齢・性を一致させて抽出した健康者,各71名を対象として,自作の調査票を用いて食習慣の実際,調理や食事の手伝い,食への関心,食事の満足等の回答を求めた.その結果以下が明らかになった.(1)慢性疾患をもつ学童・青年のほうが好き嫌いが多く,特に,小児がんと食物アレルギーでは約半数が好き嫌いをよぐすると回答した.(2)慢性疾患をもつ学童・青年のほうが,砂糖の過剰摂取,油の過剰摂取,買い食い,夕食時間が不規則,スポーツドリンクの摂取の5項目が有意に少なく,よい習慣であった.(3)食への関心と食事の満足,食事の評価は慢性疾患をもつ学童・青年と健康な対象者で有意差はなかった.(4)食への関心と食事の満足,食事の評価は慢性疾患による特徴がみられ,家での調理は,食物アレルギーと糖尿病の学童・青年で少ない傾向があった.自己免疫疾患の学童・青年は13.7%が食事をおいしいと思わない・あまり思わないと回答したが,食事の満足に関しては他の疾患と同様に約90%が満足していた.自己免疫疾患と糖尿病の学童・青年は,自分の食事をよい食事だと思わない・あまり思わないと回答したものが約半数と多い傾向があった.

慢性疾患をもつ学童・青年の食事に対する気持ちを受け止めた上で,食事療法を守りつつ,できるだけ本人が満足する食事を提供できたり,学童・青年自身が適切な食物を選択し工夫して調理する能力を身につけていけるように,健康者と同様の発達に沿った食育の視点を加えた看護援助が必要であると考えられた.

source:Journal of School of Nursing, Chiba University

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