市川市基本健康診査受診者血清脂質の検討: nonHDLコレステロールに着目して -市川市基本健康診査の解析 (3)-

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タイトル別名
  • イチカワシ キホン ケンコウシンサジュシンシャ ケッセイ シシツ ノ ケントウ nonHDL コレステロール ニ チャクモク シテ イチカワシ キホン ケンコウシンサ ノ カイセキ 3
  • Assessment of serum lipid (especially nonHDL-cholesterol) in annual health examination in Ichikawa-city in Japan -The study of Ichikawa-city annual health examination (3)-

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抄録

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本研究は動脈硬化性疾患のリスクとなる脂質代謝異常の特徴と脂質代謝異常の脂質管理におけるnonHDLの有用性について検討することを目的とした。市川市基本健康診査受診者のうち高血圧,脂質代謝異常症,糖尿病の薬物治療を受けていない男性2,086名(平均年齢58.0歳)と女性4,357名(平均年齢55.6歳)の血清脂質を検討した。年代別血清脂質の平均値でみると,男性の総コレステロール,LDL,nonHDLは50歳代が最も高く,中性脂肪は40歳代が最も高かった。女性の総コレステロール,LDL,nonHDL,中性脂肪は年代が上がると高くなり,HDLは60歳代で低くなった。男性のメタボリックシンドローム群ではノンメタボリックシンドローム群と比較して,総コレステロール,nonHDL,は有意に高く,LDLは両群間に差を認めなかった。男性のnonHDLはLDLと高い相関を認め,LDL140mg/dLに相当するnonHDLは165mg/dLであった。女性のnonHDLもLDLと高い相関を認め,LDL140mg/dLに相当するnonHDLは156mg/dLであった。以上の結果より動脈硬化のハイリスクとして知られているメタボリックシンドローム群では,LDLは変わらずnonHDLは高くなりHDLは低くなった。nonHDLを構成するレムナントや小型LDLの増加とHDLの低下が日本人のメタボリックシンドロームに見られた事は,メタボリックシンドロームの経過を追っていく際LDLだけでなくnonHDLにも注意をする必要があると思われる。

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参考文献 (17)*注記

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