リズム性運動とセロトニン神経 : ペダリング運動の影響

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  • Rhythmic behavior and brain serotonergic system : Effect of pedaling exercise

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[緒言] これまでに、体育科学の研究分野では心身の健康や生活習慣病の対策にその成果を生かす試みが成されてきた。その中でもストレスや不安に対する対策は今日の社会的な背景からも非常に重要であると思われる。脳における神経伝達物質の一つであるセロトニンのレベルは鬱や不安と関連し、これらの原因の一つであるストレスは脳内のセロトニンのレベルを低下させることが知られている。我々はこれまでに脳幹のセロトニン神経が、歩行や咀嚼、呼吸などのリズムを持った運動時に活動を増大させるという、動物実験に基づく仮説を、ヒトを対象に検討してきた。その結果、咀嚼(文献1)、坐禅の呼吸法(文献2)、太極拳、読経(声を出す呼吸法)、ヨガの呼吸法、フラダンス、サルサダンス等のリズム性運動では、セロトニン神経の活性化を示唆する結果が得られた。すなわち、血液中と尿中のセロトニンレベルを解析した結果、セロトニンレベルはこれらのリズム性運動後に増大した。そこで本研究では、リズム性運動の典型例であるペダリング運動はセロトニン神経を活性化させ、血液中と尿中のセロトニンレベルを増加させる、との仮説を検証した。また、ペダリング運動の前後で、心理テスト(POMS)により気分を評価し、ペダリング運動の前、最中、後に脳波を記録し、同時に前頭前野の局所脳血流を近赤外分光法(NIRS)を用いて記録することで、セロトニン神経の活性化との関連について調べた。

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