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いわさきちひろのメディア進出と支持層の開拓 -初期活動内容にみる-
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- イワサキ チヒロ ノ メディア シンシュツ ト シジソウ ノ カイタク ショキ カツドウ ナイヨウ ニ ミル
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千葉大学大学院人文社会科学研究科研究プロジェクト報告書 第279集 『歴史=表象の現在』上村 清雄 編
"The Presence of History as Representation", Chiba University Graduate School of Humanities and Social Sciences Research Project Reports No.279
いわさきちひろは、二〇一四年に没後四十周年を迎える現在も、数多く存在する絵本画家の中で圧倒的な人気と知名度を維持している。しかし、その一方で初期作品への関心や「芸術的」評価は決して高いとは言えない。展覧会やグッズでも採用されることが少なく、つまりのところ「人気」がない。筆者は、そうした状況によって埋もれてきたいわさきの初期活動の中でも、特に目に触れる機会の少ない共産党メディアにおける仕事に着目した研究を行ってきた。その一環として前年度のプロジェクト論文では、いわさきの死後、遺族や関係者、美術館、出版者をはじめとする周囲の取り組みが後期作品に偏る人気や高い評価を創出している一側面があることを指摘した。こうした事実は確かにある。だが、いわさき自身も自分の評価を高めるために何も手を打たずにいたわけではないだろう。同じ時代に大勢いた「挿絵画家」の中で、「童画家」として、さらには「絵本画家」として突出した存在となった背景には、生前のいわさき自身の活動内容が大きく寄与していると考えられる。さらには、いわさきは終戦後間もなく日本共産党に入党しているが、次第に多くの文化人が党から離れていくなかで、生涯を忠実な党員として全うした画家でもあった。当然ながら初期から党関連のメディアでの活動も多く、党の広告塔としての働きも担ってきた。当に関連した活動もしつつ、「共産党の画家」という先入観や偏見を一般大衆にもたれないための工夫も必要とされたに違いない。そして、現在の人気からしてその取り組みはある意味で大変な成功を収めたといえよう。本人自身によるセルフイメージ構築…
p. 166-168の図版はリポジトリ未収録
source:歴史=表象の現在(2013年度)
Journal
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- 千葉大学人文社会科学研究科研究プロジェクト報告書
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千葉大学人文社会科学研究科研究プロジェクト報告書 279 156-165, 2014-02-28
千葉大学大学院人文社会科学研究科
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1050288547187270912
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- NII Article ID
- 120007054465
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- ISSN
- 18817165
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- Text Lang
- ja
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- Article Type
- departmental bulletin paper
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- Data Source
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- IRDB
- CiNii Articles