圧迫性脊髄症急性増悪期例に対する顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)を用いた神経保護療法: Phase I/IIa臨床試験

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タイトル別名
  • 症例 圧迫性脊髄症急性増悪期例に対する顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)を用いた神経保護療法:Phase 1/2a臨床試験
  • ショウレイ アッパクセイ セキズイショウ キュウセイ ゾウアクキレイ ニ タイスル カリュウキュウ コロニー シゲキ インシ G CSF オ モチイタ シンケイ ホゴ リョウホウ Phase 1 2a リンショウ シケン
  • Neuroprotective therapy using granulocyte-colony stimulating factor for rapidly aggravating compression myelopathy : a Phase I and IIa clinical trial

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抄録

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我々は,圧迫性脊髄症急性増悪例に対する顆粒球コロニー刺激因子(Granulocyte-colony stimulating factor: G-CSF)を用いた神経保護療法について,安全性確認を主目的としたPhase I/IIa臨床試験を進めている。本試験の第1段階でG-CSF 5μg/kg/日投与の安全性が確認されたのに引き続き,今回は,第2段階としてG-CSF 10μg/kg/日の投与を行った。直近1ヵ月間に日本整形外科学会頸髄症治療判定基準にて2点以上の悪化を認めた12例に対して本試験を施行した。本人の自由意思による文書同意を得た後,G-CSF 10μg/kg/日を連続5日間点滴静注投与した。投与後に有害事象の有無を確認し,運動・感覚麻痺の推移の評価を行った。神経所見については,G-CSF投与後に,程度の差はあるものの全例で運動・感覚麻痺の改善が得られた。American Spinal Injury Association scoreは投与直前の平均が運動91.0±6.5点,触覚91.6±17.4点,痛覚86.5±15.9点であったのに対し,投与後1ヵ月後は運動98.0±3.2点,触覚99.1±15.3点,痛覚99.8±11.0点に改善した。白血球数は投与前6.1±1.6×103/μLに対し,投与開始の翌日には22.7×103/μL以上に上昇し,投与期間中は22.7~47.3×103/μLの値が維持され,最終投与の3日後には,ほぼ投与前の値に戻った。G-CSF投与期間中および投与後に有害事象の発生はなかった。

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参考文献 (23)*注記

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