ホッブズにおける二つの自然──自然法と自然権

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タイトル別名
  • ホッブズにおける二つの自然--自然法と自然権
  • ホッブズ ニ オケル フタツ ノ シゼン -シゼンホウ ト シゼンケン
  • Thomas Hobbes and his two kind of Nature-Natural Law and Natural Right

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トマス・ホッブズの哲学における自然法は自然権との関係から、自然権を先行させる立場と、自然法を先行させる立場の大きく二つから長く論じられてきた。また、自然法を優位にとる立場においては、自然法はどのようにして人間を従うよう義務付けるのか、という点からその動機を神の命とする立場と自己利益とする立場に対立してきた。それは自然法が神の法であるのか、それとも理性の法であるのか、という違いに基づいた議論である。本論は人間の理想的本性から自然法が、また実在的本性から自然権がそれぞれ考えられているという立場から、それらを対立、あるいは従属関係にある概念と捉えず、また自然法自体は神の法でもあり理性の法でもあることを示すものである。それは自然法が、人々が従うべき義務を負う法であるからではなく、主権者が従うべき超法的法であることにより、神の法であることが要請され、かつ理性の法でなければならないからである。

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