反商品の教育主義--博物館の自意識に関する考察

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タイトル別名
  • ハン ショウヒン ノ キョウイク シュギ ハクブツカン ノ ジイシキ ニ カンスル コウサツ
  • Educationalism as Anti-Merchandise : Consideration about the Museum Self-Consciousness

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「博物館」の概念は、幕末から明治のはじめにわが国へもたらされ、以後その主体形成がおこなわれた。途上、物産陳列所や商品陳列所を差別化し排除することが、明治、大正、昭和を通じた文部省等の博物館論に見られた。ここに、博物館の自意識があらわれているのではないかと注意され、検討をおこなった。まず、物産陳列所や商品陳列所を名乗らない博物館の状況を文部省の『常置教育的観覧施設状況』で確認し、あわせて明治初期の状況を参照した。つぎに、物産陳列所や商品陳列所に対する状況を、1970年代の椎名仙卓の研究と1930年代前半の博物館研究に見た。検討の結果、博物館の自意識であるところの「教育」は、「商品」への反対として構築されてきたと総括することができた。これを「反商品の教育主義(教養主義)」と名指すとともに、物産陳列所のみならず商品陳列所をも商業博物館と位置づけ、向後の「反商品の教育主義」批判にそなえた。

source:Studies on Humanities and Social Sciences of Chiba University

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