非行少年の疎外感に関する研究 : 非行の種類・進度を中心にして

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  • ヒコウ ショウネン ノ ソガイカン ニカンスルケンキュウ ヒコウ ノ シュルイ
  • A study of alienation in juvenile delinquents

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本稿では, 疎外感と非行の種類, 進度との関連について, 鑑別所に人所している71名の青少年を対象に検討した。主な結果は次の通りである。(1)非行の種類については, 疎外感の殆どの下位尺度及び全体得点において差が認められ, 交通犯群が, 窃盗・ぐ犯群よりも(場合によっては, 粗暴犯群よりも)高い得点を示した。(2)非行の進度に関しては, 鑑別所の「判定」の観点からも, 家庭裁判所の「決定」の観点からも, 保護観察や試験観察などの社会内での働きかけによって立ち直りが可能と思われる者の方が, 少年院や教護院送致などの比較的重い決定を受けた者よりも, 全般的に高い疎外感得点を示した。また, 「反省の程度」の変数でも, 疎外感得点に若干差異が見られ, ある程度自分の内面に目を向けることができる者の方が, 疎外感得点が高いという結果が見出された。これらの結果は, 宮下・小林(1981), 古宮(1983)の研究をさらに発展させたものであり, 非行の種類や進度と疎外感との関係をより明確に提示したものといえる。

source:Bulletin of the Faculty of Education, Chiba University. Part I

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