身体図式とは何か

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  • What is the body schema?

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[要旨]本稿では、身体図式の一人称的な位相を明らかにする。はじめに、身体が世界を持つとはどのようなことであるかを、メルロ=ポンティの議論を追うことで明確化する。次に、情報活用の主体、また行為の主体を「私」として特徴づける。この「私」は感覚運動的主体として存在している。そしてこの主体は自己中心的空間(egocentric space)で活動すると論じる。その上で、身体図式を、この自己中心的空間を主体に対して開く主体の能力、として特徴づける。したがって、身体図式は、この意味で極めて一人称的である。それは、三人称的な身体像と対照をなす。以上の分析に基づき、最終節では、自己中心的空間の中心に位置する身体が自分自身の身体であると私が判断するのはなぜなのか、ということを明らかにする。私は、自分の身体像が自分自身の身体についての像であることを、なんらかの同一性規準に基づいて判断しているのではない。ある身体像を自分自身の身体の像であると理解する時、私の主体性が極めて本質的な仕方で関係してくる、と論じる。

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