摂食障害の病理とマインドフルネス-「時間」と「身体」からの考察

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タイトル別名
  • セッショク ショウガイ ノ ビョウリ ト マインドフルネス - 「ジカン」 ト 「シンタイ」 カラ ノ コウサツ
  • Psychopathology of eating disorders and mindfulness

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抄録

新たな治療法として注目されるマインドフルネス・アプローチの可能性を摂食障害の精神病理の視点から検討した。Anorexia nervosaは,拒食とやせにこだわり続け「今この瞬間」から目を背けることで発達の危機状況を防衛していると考えられ,あえてそこに目を向けさせようとするマインドフルネス・アプローチの適用は困難であると考えられた。しかし,回復期においては,わき上がる食衝動の制御や身体感覚の正常化に対し,有効に作用する可能性が考えられた。Bulimia nervosaに対しては,過食嘔吐の成立要因となる陰性感情や焦燥へのマインドフルな「気づき」による,問題により健全に対処しうる主体的自己の育成,他者の視線に依存しない内的基準に基づいた自己イメージの構築,過剰な身体感覚でしか満足できなくなっている身体感覚の正常化等の点で有効に作用する可能性が考えられた。

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