肉質に影響するタリン2の死後分解におけるカルパイン3の関与

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タイトル別名
  • Involvement of Calpain 3 in Postmortem Talin 2 Degradation Influencing Meat Quality
  • ニクシツ ニ エイキョウ スル タリンツー ノ シゴ ブンカイ ニ オケル カルパインスリー ノ カンヨ

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抄録

本研究は,コスタメアタンパク質タリン2の死後分解に関わるカルパインアイソフォームを決定するために実施された. ニワトリの胸肉,腿肉,砂のう筋および心筋を4℃で4日間貯蔵した. 胸肉と腿肉のタリン2は死後早期に分解したが,砂のう筋と心筋では分解しなかった. 一方,胸肉のデスミンは他の組織よりも早期に分解した. カルパスタチンに対するカルパイン1の相対的な発現量は,デスミンの死後分解の速度と一致しているように見えた. カルパスタチンに対するカルパイン2の相対的な発現量およびリボゾーマルプロテインラージP1に対するカルパイン3の相対的な発現量は,タリン2の死後分解の速度と一致しているように見えた. 骨格筋から抽出された筋原線維におけるデスミンは,5mMのカルシウムイオンの添加によって分解したが,それはロイペプチンの添加によって阻害された. しかしながら,タリン2は,デスミン同様,5mMのカルシウムイオンの添加で分解したが,ロイペプチンの添加で阻害されなかった. 心筋におけるデスミンとタリン2はともに,5mMのカルシウムイオンに影響を受けなかった. さらに,タリン2は4℃で1μMのカルシウムイオンの添加によっても分解したが,デスミンは分解しなかった. よって,我々は,タリン2が死後の熟成期間中にカルパイン3によって分解されることを提案する.

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