バングラデシュの非営利組織によるマイクロ医療保険の実態と課題

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  • バングラデシュ ノ ヒ エイリ ソシキ ニヨル マイクロ イリョウ ホケン ノ ジッタイ ト カダイ
  • Micro Health Insurance in Bangladesh: NGO-MFIs's Practice and Challenge

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抄録

バングラデシュでは,医療費支出における自己負担割合が高く,国や(地方)政府,保険組合・共済組合等の公的機関が運営する公的医療保険制度(以下,公的医療保険制度)も確立されていない。特に低所得者層における医療費支出が家計に与える影響は大きい。ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)が目指す「すべての人々が基礎的な保健医療サービスを,必要なときに,負担可能な費用で享受できる状態」の達成が課題となっている。そのような状況下,低所得者層へマイクロ医療保険を提供しているのは,非営利組織として医療保険サービスを提供しているNGOや低所得者層へ金融サービスを提供しているマイクロファイナンス機関(MF機関)である。本稿では,全国で医療施設運営する保健NGOおよびマイクロファイナンス機関の2つ事例を基に,バングラデシュで提供されているマイクロ医療保険の実態を明らかにする。前者は,加入者数の低下や財務状況が課題となっており,後者は高額医療費に対応することが難しい状況であることがあきらかになった。これらの組織の課題に関する対応策に加えて,今後政府の公的医療保険制度の確立がUHC達成の􄼴となるであろう。

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