<総説>蛇紋岩地域の森林生態系における葉リター分解

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  • 中村, 亮介
    京都大学生存圏研究所生存圏学際萌芽研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Decomposition of leaf litter in serpentine ecosystems
  • 蛇紋岩地域の森林生態系における葉リター分解
  • ジャモンガン チイキ ノ シンリン セイタイケイ ニ オケル ハ リター ブンカイ

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抄録

蛇紋岩とは、かんらん岩などの超塩基性岩(SiO₂含量45%以下)が熱変成を受けて生成した岩石であり、地表面積 1%以下を占めて世界に散在している。蛇紋岩が風化して生成した蛇紋岩土壌は、高濃度で重金属を含むなど、一般的な森林土壌にはみられない様々な特徴を有し、独自の生態系を育んでいる。例えば、米国カリフォルニア州における蛇紋岩土壌の面積は約1%だが、その中には州全体の固有植物種の約10%が存在するとされる。蛇紋岩生態系が成立するメカニズムを理解するためには、生態系内での重金属や栄養塩の循環パターンの解明が求められる。しかし、蛇紋岩生態系の元素循環を規定する有機物の分解速度と、その関連要因の知見は現在に至るまで乏しい。本総説では、日本における蛇紋岩地域の落葉広葉樹林を対象に、近年明らかになった葉リター分解過程とその関連要因、そして今後の課題・展望を解説する。

収録刊行物

  • 生存圏研究

    生存圏研究 16 31-36, 2020-11-20

    京都大学生存圏研究所

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