年配者の情報感度によるセグメンテーションの実証研究

書誌事項

タイトル別名
  • ネンパイシャ ノ ジョウホウ カンド ニ ヨル セグメンテーション ノ ジッショウ ケンキュウ
  • Nenpaisha no jōhō kando ni yoru segumentēshon no jisshō kenkyū
  • An empirical study of segmentation by information sensitivity of the elderly

この論文をさがす

抄録

type:text

先進国で65歳以上の年配者の人口に占める割合が増え, マーケットとして無視できない数になってきた。本論では過去の年配者の研究から, 若年層と年配者の違いを明らかにするとともに, 実際に年配者にアンケートを取り, 年配者を情報処理能力でセグメンテーションし, そのセグメンテーションの有効性を探った。それによると, 年配層は商品選択の際, 情報処理負荷を下げるために, 過去の商品の利用経験を商品選択基準として利用することが示された。ただし, 同じ年配者でも情報処理能力の高い層は, 企業のマーケティング努力も理解し, 商品に合わせて商品選択の際にそれを役立てているが, 情報処理能力の低い層は, どの商品を選ぶ際も, 商品の価格を重視しやすいことが示された。年配者の幸福感には, 健康状態が大きく寄与していることが明らかになったが, 情報処理能力の高低で, 生き方に関する考え方は異なり, 情報処理能力の低い層が, 社会から離れていくことで幸福感が高まるのに対して, 情報処理能力の高い層は, 社会と積極的に関わることで幸福感が高まることが示された。過去の年配者研究から導かれたさまざまな言質が, データにより確かめられたと同時に, 情報処理能力でのセグメンテーションの有効性を示した。

堀越比呂志教授退任記念号 論文

収録刊行物

  • 三田商学研究

    三田商学研究 63 (4), 77-98, 2020-10

    慶應義塾大学出版会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ