継起的寡占の自由参入均衡における企業数 : 線形モデルのケース

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タイトル別名
  • The Number of Firms in a Free-entry Equilibrium in Successive Oligopoly : The Case of Linear Model
  • ケイキテキ カセン ノ ジユウ サンニュウ キンコウ ニ オケル キギョウスウ : センケイ モデル ノ ケース

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抄録

本論文は,垂直的取引関係にある上流企業と下流企業が共に寡占市場で競争する継起的寡占を考え,長期の自由参入均衡の下での均衡企業数について分析を行う.産業組織論では,通常分析される継起的でない寡占市場の自由参入均衡において,セカンドベスト(次善)のクールノー均衡における参入企業数が社会的に最適な参入企業数を上回る「過剰参入定理」が成立することが,よく知られている.しかし,垂直的取引関係の存在する継起的寡占においては,自由参入均衡で上流企業と下流企業が社会的に見て過剰参入となるか過少参入となるかについて,明確な結論が出ていない.本論文では,線形の需要関数,限界費用が一定という線形モデルのケースに議論を限定し,継起的寡占の自由参入均衡における上流企業と下流企業の参入企業数を導出し,社会的に最適な企業数との比較を行う.本論文で得られる結論として,社会的に最適な企業数に依存して,上流企業や下流企業が過少参入となる場合があることを示す.特に,セカンドベストの最適企業数が2社以下の時,上流企業も下流企業も共に過少参入となる.また,企業の固定費用が大きくなるにつれて,過少参入となることを数値例を用いて明らかにする.

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