A Quantitative Textual Analysis of “The Makioka Sisters”

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  • 『細雪』の計量テキスト分析
  • ハッピョウ ヨウシ 『 ササメユキ 』 ノ ケイリョウ テキスト ブンセキ

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『細雪』(1948年)は、谷崎潤一郎にとって最長の長編であり、上巻(29章)、中巻(35章)、下巻(37章)、文庫本三分冊になる。そのテーマについて、CiNii(学術情報データベース)サイトにて、「細雪」をキーワードに論文検索すると、姉妹の関係性について、あるいは四姉妹の内のひとりに焦点を当てたテーマ設定が多く見受けられる。  この長編小説の冒頭は、次女幸子が背後から来た四女妙子に「こいさん、頼むわ―」と化粧の手伝いを頼む場面に始まり、最終場面では三女雪子の縁談もまとまり、その準備のため東京に向かう車中、体調をくずし「下痢はとうとうその日も止まらず、汽車に乗ってからもまだ続いていた」と語られ、結局幸子と悦子に始まり、雪子で終わる。そこには長女鶴子はおらず、この物語が次女幸子を惣領とし、三女雪子、四女妙子をめぐる、チェーホフ『三姉妹』(1900年)に通じる、実質三姉妹的な関係性に基づいている。  この発表は、その仮定を裏付けるため、計量テキスト分析ソフトHD Coderを用い、『細雪』のテキストを分析、解釈する。

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