コロナ禍における病理解剖~動向と現状~

書誌事項

タイトル別名
  • Pathological Autopsy during COVID-19 Pandemic: Trends and Current Status

この論文をさがす

抄録

新型コロナウイルス感染症(coronavirus disease 2019, COVID-19)のパンデミック当初は病理解剖そのものを控える傾向にあったが,現在は通常どおり行われている.しかし,病理部門は,未固定の検体を扱う点で感染の危険性が高い.病理解剖の感染対策は,標準予防策を基本として,バイオセーフティレベル2以上を最低限想定している.接触感染,飛沫感染は個人防護具の着用により防ぐことが可能であるが,結核,麻疹,水痘などによる空気感染は,施設の換気設備の整備とN95マスクあるいは電動ファン付き呼吸用保護具の着用が必須である.COVID-19の病理解剖は,結核と同様に標準予防策に加えて空気感染対策が求められており,この対策がとられていれば病理解剖従事者の感染の危険性は低く,濃厚接触者にもあたらない.現在,臨床的にCOVID-19が疑われない場合は,病理医と担当医が合議の上,標準予防策で病理解剖を行っている.従って,結核など他の感染症と同様に,診療科からの感染の情報は非常に重要である.各診療科や他部門と連携し,十分な感染対策を行いながら病理解剖を施行しなくてはならない.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1050291115114875648
  • NII論文ID
    120007192167
  • NII書誌ID
    AA00629581
  • ISSN
    03855023
  • Web Site
    http://id.nii.ac.jp/1199/00005053/
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    journal article
  • データソース種別
    • IRDB
    • CiNii Articles

問題の指摘

ページトップへ