強制振動理論から予測した潮汐の力学的運動像

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タイトル別名
  • Dynamic pictures of tidal movements predicted by the theory of forced oscillation
  • キョウセイ シンドウ リロン カラ ヨソク シタ チョウセキ ノ リキガクテキ ウンドウゾウ

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説明

起潮力はベクトルと周期性という2つの力学的特性をもつ。周期的な外力が物体に作用すると,一般にその物体は強制振動を起こす。起潮力は周期性をもつ外力であるので,潮汐は強制振動現象でなければならない。この論文では,潮汐の起源について3つの提案を行った。 (1) 海洋潮汐は水深によって3つのタイプに分類される。すなわち,「逆位相型(水深22000m未満)」,「同位相型(水深22000m以上)」,および「共振型(水深22000m)」である。地球の海洋で発生する潮汐は逆位相型の潮汐である。一方,固体地球に起こる地球潮汐は同位相型である。 (2) それぞれの型の潮汐に見られる力学的運動像の違いを明らかにした。広く普及している潮汐論の説明とは違って,実際の潮汐に伴う海水面の変化は,月の位置に従って楕円形と円形を繰り返す楕円振動を行う。その結果,潮汐による海水面の上下動は赤道に沿って互いに90°離れた4領域で起こり,それらの間にはほとんど潮汐運動を起こさない無潮域が出現す る。 (3) 「潮汐バースト」という新しい概念を提唱し,その科学的意義について考察した。自転周期の遅れから推定すると,海洋に潮汐バーストによる巨大潮汐が発生するのは約45億年後と予想することができる。また,この理論を固体地球に適用すれば,原始地球の自転周期が約2時間より短いことはなかったと考えなければならない。

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