都市地理研究から得た三つの教え

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タイトル別名
  • Three Teachings to Given from My Urban Geographical Study

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説明

私が地理学の論文らしいものを書いたのは,昭和16年東京府大泉師範学校の卒業論文がはじめてである.その論題は「外郭的都心としての池袋付近の研究」であった.実態調査を中心にまとめあげたその成果は,いたって未熟なものであったが,私にとっては思い出に残るものであって,わが都市地理学研究の第1ページをかざる処女作なのである.それから軍隊生活4年間を含め,今年で50年に及ぶ地理学探究の人生である.その間,大泉師範の幸田清喜先生,立正大学での田中啓爾・桝田一二・青野寿郎・三野与吉・尾留川正平の諸先生,日本都市学会での磯村英一・木内信蔵の両先生,さらに,日本地理学会,立正地理学会の先輩諸兄,立正大学地理学教室の先生方から得た学問的影響,刺激,恩恵は至って大きく,先ずここに心から御礼と感謝の気持を申し上げたい.さて,50年,私は一貫して都市地理学の研究を追い続けてきた.それは,物事に憑かれるととことんまで追いかけてしまうB型人間の習癖がなせる業なのかも知れない.都市地理学50年追究の過程で,私は三つの本質的考え方を教えられることになった.そのことについて,平素いろいろお世話になっている立正地理学会の会員諸兄に対し,ささやかなお返えしの意味で,語り明かすことにしたのである.

収録刊行物

  • 地域研究

    地域研究 32 (2), 1-14, 1992-03-20

    立正地理学会

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