新型コロナウイルス感染拡大期における雇用と労働(2)

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タイトル別名
  • Employment and labor during the spread of COVID-19 infection( 2)
  • シンガタ コロナウイルス カンセン カクダイキ ニ オケル コヨウ ト ロウドウ(2)

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抄録

新型コロナウイルス感染拡大防止のための緊急事態宣言の発出、それに伴う休業要請や外出自粛は、経済・企業活動を停止させ、雇用情勢を大幅に悪化させた。前稿に引き続き本稿でも総務省統計局の労働力調査などの政府統計を基に、その実情を時系列に追って分析を試みる。度重なる緊急事態宣言の発出や解除後も続く時短営業の要請や自粛生活が、労働力人口における休業者の高止まりとして現れており、2020年₇月以降、非労働力人口の減少の大部分が、完全失業者の増加に振り替わる事態が続いていることが確認できた。産業間での月間労働時間の推移を比較したところ、多くの産業でコロナ前の水準に戻る中、飲食サービス業等においてはコロナ以前の水準に戻らず、一般労働者、パートタイム労働者ともに大きな変化がなく、停滞したままである。生活保護は、高齢者世帯と障害者世帯、その他の世帯とで受給世帯数が増えており、コロナ禍においても母子世帯の受給世帯は減り続けていることが確認された。その他の世帯には働ける人がいる世帯も含まれるため、稼働年齢層の生活保護受給者の増加を意味している。雇用の悪化は、確実に生活保護受給者を増やしている。

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