CSV 経営の今日的意義と課題

書誌事項

タイトル別名
  • A Study on CSV: its Significance and Problem

説明

エコロジカル・フットプリントからの要請と社会課題解決を率先すべきパブリックセク ターのパワーの衰えから、社会課題解決をビジネスのパワーで加速できるビジネスセク ターへの期待と注目度が世界的に高まり続けている。これまで企業はCSRを継続的なオ ペレーションに組み込み、実施してきたが、環境負荷の削減はどこまで行ってもゼロとは ならず、PDCAを回しても毎年同じ活動の繰り返しになることが多く、企業活動として は隘路に入ってしまった感が強い。当然ステークホルダーの関心も薄れていく。このよう な状況を打破する概念として登場してきたのがCSVである。現状では、具体的方策の不 透明さや企業の能力への過度の依存、成否の不透明さ、裏付けの薄さ、実施スパンの不確 かさ、主観に左右、CSRの軽視など、いくつかの課題が指摘されるが、未解決の社会 ニーズに企業が率先して取り組めば、新たな市場、自社にとっての優良なマーケットを開 拓できるばかりか、そうした未解決の課題に取り組むことで社会セクターからの資金調達 を容易にするなどのメリットも指摘される。従業員にも働く意義の感得や誇りの醸成、さ らには当該企業への愛着を高めるなどの効果があることも報告される。SDGsで影の薄 くなったCSVはその役割を終えたのだろうか。本稿はCSV実施の意義に迫ったもので ある。

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