亡霊の語り―中間航路の死者の声

書誌事項

タイトル別名
  • Ghost Narratives―Echoing the Victims of the Middle Passage
  • ボウレイ ノ カタリ : チュウカン コウロ ノ シシャ ノ コエ

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説明

トニ・モリスンの『ビラヴィド』は,タイトルが示す通り,2歳で殺され,肉体をもって蘇ったビラヴィドが記憶した物語として読むことができる。その記憶は,ビラヴィド自身の記憶とともに,中間航路の死者を含む,沈黙を余儀なくされた多くの死者の記憶でもある。それはモリスンがエッセイで論じた「語られなかった,語りえないこと」の記録である。本稿では,言語化できないこの記憶をモリスンがどのように『ビラヴィド』で表現したかについて論じる。言語化が不可能なものは,「記号」や「絵画」等のビジュアル化をもって読者に提示されており,ビラヴィドの肉体がその最も重要な表象と考え,その詳細を論じる。

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