造血細胞移植後の食事療法に関する実態調査

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タイトル別名
  • Survey on Dietary Treatment after Hematopoietic Cell Transplantation

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抄録

type:Article

造血細胞移植患者が選択できる食事内容の拡大に貢献することを目的に、国内の病院で運用されている 造血細胞移植患者の退院前栄養指導における食事の基準についてアンケートを用いた実態調査を行った。 解析対象施設108 施設のうち、造血細胞移植後の患者に対して管理栄養士が栄養指導を実施する施設は 52% であり、実施していない施設では医師の栄養指導オーダーがないこと等が課題であった。退院前栄養 指導において、バナナ・オレンジなどの皮が厚い果物の摂取を通常許可する施設は61%、皮ごと食べるい ちごやプラム、生野菜では10%であり、施設や食品の種類ごとに異なった対応がされていた。本研究にお いて管理栄養士の95% が造血細胞移植ガイドラインを造血細胞移植患者に対する栄養指導の参考としてい たが、このガイドラインでは日本特有の食事すべてについて規定されておらず、食品や調理法の多くは施 設ごとに独自に判断し運用せざるを得ない現状が明らかとなった。このことから、統一された食事基準の 策定が造血細胞移植患者への栄養指導内容の施設間の差を縮めることが示唆された。加えて患者自身の食 事の選択肢が拡大し、食事摂取量の増加につながることが期待される。

identifier:http://reposit.sun.ac.jp/dspace/handle/10561/1820

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