当事者組織におけるコンフリクトの分析視点―文献研究に基づくコンフリクトの背景要因の検討―

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  • Analytical Perspective of Conflicts in Principal Organization:\nConsideration of Background Factors of Conflict Based on Literature Research

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抄録

本研究の目的は,当事者組織の特性をふまえ,組織論をはじめとする関連領域の諸研究から,当事者組織において理論上発生し得るコンフリクトについて背景要因から検討して,分析視点(理論的コンフリクト群)を体系的に整理することである.  理論的コンフリクト群は構成員同士の個人的な対立として顕在化するコンフリクトの深層で影響を及ぼしている組織的課題および社会的課題との関係を把握する役割を担う。  筆者は理論的コンフリクト群を用いて当事者組織の内部関係者間におけるコンフリクトに関する研究を続けている。しかし,筆者の既刊論文においては理論的コンフリクト群に関する検討過程は詳述しきれていない.そこで,本稿にて理論的コンフリクト群の検討過程を詳述する.  本研究では当事者組織の特性をふまえた文献研究を行う.当事者組織と他の組織を比較すると共通性と特異性の両特性がある。共通性から組織論などの文献に注目し、特異性から社会福祉学やその他の関連領域の文献に注目する。これら二段構えの文献研究を行い,複数項目からなる体系的な理論的コンフリクト群を整理する.  本研究の結果、「組織動態と組織構造」の 2 区分、「成長志向、時期区分、ミクロレベル、メゾレベル、マクロレベル」の 5 類型、「事業体の特性と危機課題から消極的環境の特性と危機課題まで」の 12 課題、「組織資源の不足から家族の限界まで」の 24 細目から成る理論的コンフリクト群を得ている.

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