端末外リソースの仮想化とUGC型のアプリ開発をサポートするIoTフレームワーク

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抄録

近年,様々なデバイスを連携させるIoT(Internet of Things)サービスの開発が進みつつある.IoTサービスには一般住環境での省エネ・快適化やオフィス・工場での業務効率化といった活用が期待され,様々な環境で普及させていくことが望ましい.しかし,IoTサービスの普及を妨げる要因として,(a)環境によって物理的なコンテキストが多種多様であるため,それぞれに応じたIoTサービスを網羅的に開発することは個人や企業が単独で行うには難しいという問題と,(b) ユーザのニーズには多様性や変動性が存在するため,IoTサービスとのマッチングが難しいという問題がある.これらの問題を解決するため,我々は,現在のスマホアプリ市場が成功させているUGC(User Generated Contents)型のエコシステムの形成を目指している.UGC型エコシステムを形成することで,問題 (a) については様々なユーザ(アプリ開発者)が人海戦術的にサービスを開発することで解決が期待できる.問題 (b) についてはユーザ自身がアプリストアの中から利用したいものを選択することで解決できる.本稿ではアプリ開発の生産性を高めてエコシステム実現するために,IoTデバイスを機能単位で仮想化するOSサポート機能をフレームワークとして提案する.提案フレームワークでは,アプリ・デバイス間の依存関係を,フレームワーク側で動的に注入することでIoTアプリの再利用性・可搬性を担保する.また,排他制御やアクセス制御などのIoTにおけるセキュリティ課題を,デバイス単位でカプセル化することで効率的に管理する.このようにIoTデバイスを仮想化することで,アプリ開発者はデバイスの機能をマッシュアップすることにのみ集中して物理的なコンテキストに依存しないIoTアプリを容易に開発できる.

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