事前予測による物体検出の推論実行効率化

抄録

機械学習の認識精度の向上により,日常のさまざまな場面で機械学習が用いられるようになってきた.例えば,道路や交差点に設置されるカメラにより,渋滞や事故などの状況を人間に代わって判断し,通知できる.しかしながら,GPU は高価であるため,GPU の処理を効率化して相対的にコストを下げることが重要となる.意味のあるイベントは頻繁には発生しないことに着目し,簡易な方法で認識結果を予測することで,変化の少ないフレーム画像の認識処理を回避・抑制する方式を提案した.実現における課題は次の 3 つである.(1) 前のフレーム画像と同じ推論結果が得られる画像 (類似画像) の簡易判定方法.(2) GPU の推論処理と競合しないシステム全体のスケジューリング.(3) GPU での推論処理の上限に合わせたフレーム画像数の調整,である.評価では,高速道路のカメラ画像 (25fps) から走行中の自動車台数を計測するケースを想定した.既存研究では,カメラ画像を 4fps に間引きし 4 並列で処理したが,本方式では 25fps のカメラ画像を類似度判定することができた.この結果,評価で利用したカメラ画像では,GPU 上での推論処理対象のフレームレートが 25pfs から 1.3fps に変換され,同時に 8 台のカメラ画像を処理可能であることが示された.全体として 12.5倍 (25fps を 8 並列, 200fps) の処理向上が得られた.

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1050292572110768896
  • NII論文ID
    170000185420
  • Web Site
    http://id.nii.ac.jp/1001/00212895/
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    conference paper
  • データソース種別
    • IRDB
    • CiNii Articles

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