Lucasオペレーティングシステムにおける分散ファイルシステムと分散共有メモリの融合

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  • Integration of a Distributed File System and a Distributed Shared Memory System in Lucas

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抄録

近年注目を集めているグループCADやソフトウェア開発などの協調作業を行なうアプリケーションでは、ポインタを含む複雑なデータ構造を複数のプロセスが共有して使用する。そのようなアプリケーションを効率良く実装するための枠組として、当研究室では64ビット仮想空間を用いたオペレーティングシステムLucasの研究開発を行なっている。本稿ではLucas上のファイルシステム(以下LFS)について述べる。従来のUNIX等で使われているファイルではread()やwrite()を用いてファイルの内容をメモリにコピーして使用するため、内容の変更を複数のプロセス間で即時に伝播させることが困難である。このためLFSではより協調作業に適したmemory-mapped fileのインタフェースを用いている。一方分散環境上の変更伝播については各ホスト上にキャッシュされたmapped fileの一貫性を保つ必要がある。LFSではこのキャッシュ間の一貫性を保証するためのプロトコルとして、従来の分散共有メモリの技術に分散ファイルシステムとしての特徴を活かした最適化を導入し、実行時効率の改善を目指した。以下、LFSの設計とブロトコルの最適化について述べる。

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