代用電荷法に基づく双方向的な数値等角写像の方法

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  • A Bidirectional Method for Numerical Conformal Mapping Based on the Charge Simulation Method

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抄録

等角写像の数値計算法すなわち数値等角写像の方法は,数値解析の課題の1つとして古くから研究され,近年再び注目を集めている.それらは,与えられた問題領域から標準領域への写像を求める方法と,逆に,標準領域から問題領域への写像を求める方法とに大別される.いずれの場合にも有効な方法はまだ知られていない.本稿では,代用電荷法に基づいて,双方向的な数値等角写像の方法を提案する.その原理は,Laplace方程式のDirichlet問題の解である調和関数とその共役調和関数を複素対数ポテンシャルの実部と虚部の1次結合で近似して,まず問題領域から標準領域への近似写像関数を構成し,得られた境界上の対応関係を用いて,標準領域から問題領域への近似写像関数を逆写像として再構成する,というものである.この方法は問題領域と標準領域との間の双方向の等角写像をまったく同一のアルゴリズムで簡単かつ高精度に計算することができる.特に,標準領域から問題領域への写像の計算に非線形の反復収束計算を必要としない.また,正則関数の最大値の原理により,境界上の計算値を用いた簡潔な誤差の評価が可能である.ここでは,与えられたJordan領域と単位円内部との間の等角写像を扱う.

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