イワサキカレハ Dendrolimus iwasakii Nagano の生態に関する知見

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タイトル別名
  • Ecological notes on the Yamangimoth, Dendrolimus iwasakii Nagano (Lepidoptera)

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説明

1.本報は1967年来調査してきたDendrolimus iwasakii Naganoイワサキカレハの生態に関する知見をまとめたものである. 2.食草として19科39種の植物を与えて調査した結果,15種を好んで食し,モクタチバナ,ホルトノキがもっともよかった. 3.卵期間は29~43日,幼虫期間は233~273日で,蛹期間は54~74日であった. 4.まゆは食草などの薬を1~12枚使用して作られるが,2~4枚使用がもっとも多く,葉の表面または表裏面(2枚以上のとき)を利用して作ることがわかった.裏面のみの利用はみられなかった. 5.羽化は18~22時に集中的に行なわれ,その後4時までに僅か,4~18時までは全く羽化をみなかった. 6.産卵前期間は0~7日で,産卵期間は2~11日,産卵終了後死亡までの日数は0~7日で,成虫寿命は2~15日であった. 7.1めす当りの産卵数は179~420個で,羽化後4日から8日までの5日間で76%を産卵した. 8.野外では多くは食草に産卵し,地上100cm程度の葉の裏になされるのが普通である.1卵塊当りの卵数は20個前後で,室内でもそれに似ている.ふ化率は野外で100%弱,室内では0.02%であった.これは未受精卵なるがためだと推定される. 9.年間の世代数は1回で,卵は12月から2月にみられ,幼虫は1月から10月,蛹は9月から12月,成虫は11月から1月にみられた. 10.幼虫は衛生害虫として知られていることについて意見を述べた. 11.天敵としてHabronyx heros WesmaelマツケムシヤドリコンボウアメバチとExorista sorbillans Wiedemannクワゴヤドリバエの2種が判明した.

論文

収録刊行物

  • 沖縄農業

    沖縄農業 11 (1・2), 21-33, 1973-03

    沖縄農業研究会

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