促成栽培用イチゴ新品種‘にこにこベリー’の育成と栽培特性

書誌事項

タイトル別名
  • Breeding of new cultivar 'Niko niko berry' for a forcing culture of strawberry

抄録

イチゴ新品種‘にこにこベリー’は,2005年に大果で果皮が硬く冬季の草勢が強い‘もういっこ’を子房親,早生性を有し果皮に光沢があり果実形質が優れる‘とちおとめ’を花粉親として交配し,得られた実生の中から選抜し,2017年に‘にこにこベリー’の名称で品種登録出願した。本品種の特性は,次のとおりである。草姿は立性で,厳冬期の草勢低下が少ない。頂花房の花芽分化は,‘とちおとめ’と同等かやや早い。果形は円錐形,果皮は赤色で果肉も赤色である。果形の揃いは良好で,乱形果の発生が少ない。糖度は‘とちおとめ’よりやや低く,酸度はやや高い。果実硬度は,全期間通して‘とちおとめ’と同等か硬く,春先も‘もういっこ’と同程度に硬い。収量性は高く,‘とちおとめ’より15%以上多収であった。‘にこにこベリー’のうどんこ病・炭疽病・萎黄病に対する耐病性を‘もういっこ’および‘とちおとめ’と相対比較したところ,うどんこ病に対しては‘とちおとめ’より強く‘もういっこ’と同等か強い傾向が認められ,炭疽病および萎黄病に対しては‘もういっこ’および‘とちおとめ’と同等であった。

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