備讃瀬戸におけるイカナゴ夏眠場の底質温度

書誌事項

タイトル別名
  • The sand temperature at aestivation sites of Japanese sand lance Ammodytes japonicus in Bisan-Seto, the Seto Inland Sea

抄録

夏眠期の高水温はイカナゴの生残および再生産に悪影響を及ぼすことが知られているが,夏眠中のイカナゴは砂中で生息するため,水温と砂中温度における差異の有無を確認する必要がある。そこで,備讚瀬戸の4か所の夏眠場(水深15m~29m)において,2017年から2019年の夏期に潜水により海底直上水温と砂中温度の関係を調べるとともに柱状採泥による底質調査を実施した。砂中温度と底質性状との関係は明らかではなかったが,砂中深度および水深が深くなるほど,海底直上水温と砂中温度の差は大きくなる傾向にあった。イカナゴが夏眠期に潜っている深さ10cm付近の底質温度は,海底直上水温との差異が0℃~-0.4℃の範囲にあり,周年混合域である備讃瀬戸では,イカナゴが夏眠時に経験する水温は海水温とほぼ一致すると考えられた。

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