北海道の十勝および胆振管内における火山灰土のアロフェン含量と土壌pHの関係

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  • ホッカイドウ ノ トカチ オヨビ イブリカン ナイ ニ オケル カザンバイド ノ アロフェン ガンリョウ ト ドジョウ pH ノ カンケイ

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抄録

北海道の十勝および胆振管内の火山灰土で,テフラ別にアロフェン含有率,10ΔpH,交換酸度y1の違いを検討してきた。結果は以下のとおりである。1) アロフェン含有率はTa-a+Ta-b,Us-a,Us-bと十勝管内の古期火山灰土で2%以下の低い値を示した。これに対してMe-aは降灰後500年ほどであるが,アロフェンの含有率は5%を示した。降灰後1000年以上を経過したT-c,Ta-dは平均値で7~21%の高い値を示した。En-aのアロフェン含有率も十勝,胆振管内とも10%以上の含有率を示した。2) 10ΔpHはMe-a,Ta-a+Ta-b,Ta-cおよびTa-dはいずれも3以下であった。En-aに至っては2以下のきわめて低い値であった。しかし,Us-a,Us-bは10の高い値を示した。これから雌阿寒岳,樽前山および恵庭岳の火山灰土は酸性の弱い土壌であり,有珠山の火山灰土は酸性が強く,塩基飽和度の低下に注意する必要のあることが明らかになった。3) 交換酸度y1はUs-a+Us-bにおいてpH(H2O)平均値が5.9の高い値にもかかわらず,3.7の高い値を示した。その他のテフラでは十勝管内のTa-a+Ta-bでpH(H2O)4.5で交換酸度y1が8.8を示した以外はpH(H2O)5.5以下でも3以下の値を示した。4) Alp/Alo比によるアロフェン質土壌の分類ではMe-a,Ta-c,Ta-dおよびEn-aはAlp/Alo比0.5以下でアロフェン5%以上の妥当性が伺われた。

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