クラウドセンシングのための時空間フェンシングのスマートフォンアプリへの実装

抄録

クラウドセンシングが持つ専用システムの開発,運用コストという課題を解決するためにクラウドセンシングプラットフォームがある.そのうち,利用者のモチベーションを向上・維持させるためにインセンティブ要素を提供するクラウドセンシングプラットフォームはいくつかある.我々はインセンティブ要素と併用可能なディスインセンティブ要素の軽減を目的としたクラウドセンシングプラットフォーム(ラヴラス)を構築する.本研究ではラヴラスのスマートフォンアプリ(以下,スマホアプリ)を実装する.ラヴラスのスマホアプリにはセンシングプロジェクトダウンロード,センシング依頼通知,自動センシング,センサデータアップロードの機能が必要である.そのうちセンシング依頼通知,自動センシングは時空間フェンシングに基づき行う.ジオフェンシングには利用者が視覚的に認識しやすい緯度経度を利用したが,GPS は屋内やビルの多い場所では不安定になる.そこでジオフェンスにマージンを設け,確実に進入した,退出したを判定する.また,ラヴラスは実際のユースケースとして遊園地や工場など特定の施設を対象にする可能性がある.その場合ジオフェンスが任意の多角形になる場合がある.そこで利用者を中心に円を書き,その円周上 8 点にジオフェンシングを行う点を生成する.生成した点の内 1 点以上ジオフェンスの内側にある場合,時空間に進入しそうと判定し,センシングに協力するかどうかの通知を発行する.8 点全てが内側の場合確実に進入したと判定し,自動センシングを行う.8 点全てが外側の場合確実に退出したと判定し,センシングを終了する.これによりジオフェンスが任意の多角形の場合でも適切にジオフェンシングできる.本稿ではこれらの機能を実装し,動作検証を行った.結果,ジオフェンスが任意の多角形の場合でも適切に動作した.

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