ソフトウェアプロジェクト結果に対する開発体制の影響分析

抄録

ソフトウェア開発企業にとって,コストなどのソフトウェア開発プロジェクトの結果は非常に重要である.プロジェクトの結果に関する研究は以前から取り組まれているが,近年においても結果に問題が生じなくなったとはいえない.本研究ではプロジェクト体制と結果との関係の正確な理解を目的とし,プロジェクト結果に影響する要因を明らかにする.プロジェクト結果としてコスト(生産性,技術者単価)と納期(開発速度,開発期間予実比)に着目する.影響要因として,プロジェクトの開発体制(開発要員数,外部委託,契約形態)に着目する.405組織から収集されたデータ2,299件から適切なプロジェクトを抽出後,主に重回帰分析を用いてコストと納期に影響する要因を分析した.その結果,外部委託は生産性に影響している一方で技術者単価には影響していないことがわかった.また,開発速度は要員数と外部委託の両方が関係していることがわかった.企業横断的に収集されたデータを用いて分析しているため,得られた結果は外的妥当性が高いことが期待される.

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