北関東甲信越地区在住の一般人1,092人におけるエイズ/HIVに関する意識調査

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  • A survey of AIDS/HIV for 1,092 people living in Kitakantou and Koushinetsu district

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説明

エイズ/HIV感染者は徐々に増加しているが,多くは健常者と同じように歯科治療を受けることを望んでいる。よって,エイズ/HIV感染者が歯科医院を受診できる医療体制整備が求められている。そこで今回,北関東甲信越に住む1,092人を対象としたエイズ/HIVに関するアンケートを行った。回答者の男女比は1:1に設定し,年齢は20-79歳(平均48.7±15.4歳)であった。対象とした7県別ではそれぞれ152人ずつであり,各県ごとの男女比や年齢層の分布に有意差はみられなかった。若年齢層ではエイズ/HIVに関する授業を受けた経験がある人が多く,知識においても有意に正答率が高かった。一方HIVの感染経路や感染後の経過に関しては,いずれの年齢層においても正しく知らない人が多かった。歯科治療を介してHIV感染しうると考えている人は全体の半数以上にみられ,とくに50歳以上にその傾向が強かったが,20歳代や学生では感染しないとする人が多かった。また自身が受診する歯科医院を選ぶ基準としてHIV感染者の診察の有無は約8割の人が「わからない,意識しない」を選んでおり,一般的なエイズ/HIVに対するイメージと歯科受診という行動との間には若干の隔たりがあると思われた。誤った知識はエイズ/HIV感染者への否定的な態度につながりかねないが,今後は知識だけでなく行動変容を生じうる教育が必要であると考えられる。

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