「社会福祉発達史」研究の射程と展望(その2) ——「福祉の複合史」研究のもたらしたもの——

書誌事項

タイトル別名
  • The perspectives and the vision of the historical study of 'the Development of Social Welfare'(part2): some contributions from 'the Mixed Economy of Welfere' studies
  • 「 シャカイ フクシ ハッタツシ 」 ケンキュウ ノ シャテイ ト テンボウ(ソノ 2)「 フクシ ノ フクゴウシ 」 ケンキュウ ノ モタラシタ モノ

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抄録

本稿の目的は,現代歴史学から「社会福祉(なるもの)」へ接近し,社会福祉の歴史研究を刷新をしていると思われる,「福祉の複合史(the mixed economy of welfare)」研究の展開過程とその方法論的な特長を抽出することである.  「福祉の複合史」研究は,本国英国では1970年代末期から,日本では英国での成果を摂取しつつ1990年代後半から徐々に「歴史学」分野で紹介・深められ,多くの「福祉の歴史」の諸相を明らかにしてきた.その特長は,それまでの社会福祉史研究(≒社会事業史研究)が無意識的に採用してきたと思われる「歴史観 historiography」(ホウィグ主義史観とマルクス主義史観)とは異なる,多層的で射程の長いそれを見いださそうとしているところにある.本稿は,この「福祉の複合史」研究の主要な論者による問題意識と主張——特に彼らが注目する「中間団体(アソシエーション)」による福祉供給主体の史的内実:「福祉ボランタリズム」——を紹介し,その到達点へ若干のコメントを行うものである.

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