黒森学校における師匠についての研究

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  • クロモリ ガッコウ ニ オケル シショウ ニ ツイテ ノ ケンキュウ

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抄録

黒石市に存在した黒森学校の師匠である僧侶の果たした役割を考察するため、黒森学校に関する文献や聞き取り調査を行った。黒森学校の師匠について明らかになったことは、初代の山崎是空は、墓石等の調査から浄仙庵を築くとともに寺子屋の礎を築いた。二代目の丹羽寂導は、是空の意志を受け継ぎながら、青少年の育成に専心した。寂導は、寂導彫りの技法で多数の仏像を彫っており、弘前市内の寺院にも現存している。仏像の技法は優しい表情が魅力的な面を持っていると評価されている。 黒森学校は、南津軽郡や黒石地方の政治、経済、文化の面で活躍した多くの人材を輩出した。学制以後も、私立学校として地域のために貢献したことや青森県外からも寺子を受け入れ、当時としては開かれた学校を目指していた。学校運営については、学校と保護者が連携を十分に図る等、今日の教育に通じることもあり、その歴史的な意義も大きい。 昭和の初め浄仙寺は焼失し、黒森学校に関する多くの資料を失ったが、平尾魯仙が記した古文書を調べることや津軽地方に現存する仏像を調査することが、黒森学校の実像をより明らかにするための今後の課題である。

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