人工肛門造設状態の患者に 腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術を施行した1 例

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タイトル別名
  • LAPAROSCOPIC INGUINAL HERNIA REPAIR FOR A PATIENT WITH A STOMA: A CASE REPORT

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抄録

人工肛門造設状態の患者の右鼠経ヘルニアに対して,腹腔鏡下鼠経ヘルニア修復術を施行したので報告する.患者は76歳,男性.20年前から右鼠径部に膨隆を自覚していたが,放置していた.1 年半前,他院で直腸癌に対する腹腔鏡下腹会陰式直腸切断術を施行され,左下腹部にS状結腸を用いた単孔式人工肛門を造設された.今回,右鼠経ヘルニア非還納のため当院救急外来を受診した.小児頭大の大きな内鼠経ヘルニアで,外来で還納した後,抗凝固薬内服のリスクもあったため待機的腹腔鏡下手術の方針とした.手術は臍部と右側腹部に2 か所の3 ポートで施行した.術後3 日目に合併症なく退院した.人工肛門造設状態の鼠経ヘルニア手術に関する報告は少ない.患者それぞれの病態にあった最善の治療法を検討する必要が有り,腹腔鏡下鼠経ヘルニア修復術は,治療選択肢の一つになりうると考えられた.

収録刊行物

  • 横浜医学

    横浜医学 73 (4), 529-533, 2022-12-20

    横浜市立大学医学会

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