学力格差縮小に向けた公立中学校の理念と実践 -分配的平等主義と関係的平等主義に着目して-

書誌事項

タイトル別名
  • Philosophy and Practice of a Public Junior High School for Reducing the Inequality of Academic Achievement Gap: A Focus on Distributive Egalitarianism and Relational Egalitarianism

抄録

本稿は、「格差の再生産装置」としての側面が強調されていた日本の公立中学校(X中)のフィールドワーク調査を通して、学校現場における学力格差縮小に向けた取り組みの実態を明らかにしていく。この課題に取り組むうえで、その実践の背後にどのような価値理念があるかに着目して分析を進める。具体的には、政治哲学における「分配的平等主義」対「関係的平等主義」という平等論の対抗図式を分析枠組みとして設定する。その分析枠組みをもとに、X中で行われている「下に手厚い」実践の意義と限界、および集団づくりの理念と実際について記述・分析した。本稿の結論として、学校の事例研究において、格差の縮小に向けての有効な実践を経験的に明らかにするとともに、どのような学校を目指すべきかという規範的問いについても検討する必要性を指摘した。

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