測定・調査・検査フーコーにおける三つの権力-知の形態

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  • ソクテイ・チョウサ・ケンサ フーコー ニオケル ミッツ ノ ケンリョク -チ ノ ケイタイ
  • Mesure, enquête, examen Trois formes de pouvoir-savoir chez Foucault

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抄録

本稿は、20世紀フランスの思想家であるミシェル・フーコーが1970年代にコレージュ・ド・フランスで行った講義で論じている、三つの「権力-知」の形態、すなわち「測定」、「調査」、「検査」について、それがどのようなものであり、またどのようにして権力-知の形態となるのか、そしてなにより、当時のフーコーの権力の理論にどのように関係しているのかを分析したものである。1970年代のフーコーの権力論は、主として「規律権力」の理論化によって特徴づけられるが、他方でそこでは、この規律権力論のいわばプロトタイプとして、権力-知の三つの形態が(ときに暗示的な仕方で)重要な役割を果たしている。本稿は、むしろこの三つの形態に着目することで、フーコーの権力論の源流をたどるとともに、とくに調査と検査についてより詳細な検討を行い、それらの新たな可能性を探ることを試みている。なかでも調査は、フーコーがみずからGIP(監獄情報グループ)で行った「〈耐え難いもの〉の調査」にもとづき、それが権力に資することなく抵抗につながる可能性を示唆する。

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