安藤昌益の動物論 : -動物愛護思想の先駆者-

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タイトル別名
  • アンドウ ショウエキ ノ ドウブツロン : -ドウブツ アイゴ シソウ ノ センクシャ-
  • The Pioneer of Japanese Thought on Animal Welfare:Ando Shoeki

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抄録

安藤昌益の英語版書籍、The Animal Courtは、稿本『自然真営道』第24巻「法世物語」の英訳版である。小稿は、安藤昌益の動物論を後期から前期に遡求して、検討したものである。具体的に取り上げるのは、後期の「法世物語」巻、中期の『統道真伝』禽獣巻、前期の『詩文聞書記』および「禽獣草木虫魚性弁」である。これらを検討した結果、第1に「禽獣草木虫魚性弁」には、仏教の全否定ではなくて仏教を肯定する立論が含まれていた。第2に『統道真伝』禽獣巻は「本草学」の批判であり、第3に「法世物語」巻は動物劇を通じた身分制社会の批判の書であった。しかし、同時に第4として前の時期に執筆された内容が後の時期に再度展開されていることが判明した。最終的に「法世物語」は動物愛護思想の先駆的書物と位置づけることが可能であるとともに、彼の獣肉禁止論から「動物の権利」思想の先駆者としても位置づけられることがわかったのである。

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