書誌事項
- タイトル別名
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- Why macro-economic slide rule is ineffective? : its delayed activation and the effect of carry-over rule
- マクロ ケイザイ スライド ワ ナゼ キカナイ ノカ : ゲンイン ト ソノ エイキョウ クリコシ ルール ノ コウカ
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抄録
2004 年公的年金の制度改革の際に定められた,マクロ経済スライドによる給付調整は,これまでほとんど発動されていない.その背景には,賃金(物価)上昇率が想定外の低水準に推移する中で,給付の対前年比水準を維持するためのルール(例外ルール)が適用されことがある.マクロ経済スライドの発動が遅れると,当面の給付水準が高止まりし,収支の悪化を通じてスライドが終了するまでの期間が長期化する.その結果,スライド終了時点の給付水準が低下し,世代間の不公平を招く.実際,2005 年から毎年スライド調整を実施したと仮定して試算をすると,2019 年の財政検証よりもスライド終了が早くなり,スライド終了時点の年金の水準が高まった.一方,適用されなかったスライド調整の効果を後年度に繰り越して改めて適用するルールの効果をシミュレーションにより検証したところ,賃金(物価)上昇率の平均値が2.0%であれば効果が大きいものの,0%近傍であればほとんど効果がない.マクロ経済スライド制度の趣旨を活かす上では,例外ルールを廃止し,スライド調整を常時適用することが適切である.
収録刊行物
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- オイコノミカ
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オイコノミカ 57 (1), 3-25, 2022-08-31
名古屋 : 名古屋市立大学経済学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050294949472603648
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- NII書誌ID
- AN00025971
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- ISSN
- 03891364
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- NDL書誌ID
- 032610472
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- IRDB
- NDL